狂乱家族日記 参さつめ

作・日日日 イラスト・X6SUKE ファミ通文庫
本当に狂乱家族が出るペースには驚いています。ほぼ月刊で出てるじゃないですか…
後書きには「残念ながら月刊凶華様にはなりませんでした」みたいなことを書かれていましたが、これだけハイペースで出せるだけ凄い。
どんどん読めるのは勿論ファンとしてこんなに嬉しいことはない!状態なのですが、知れ渡るまえに終わってしまうのではないか、と不安もあります。まあ、ストーリー的にまだまだ主要キャラクターの素性も全部分かっている状態じゃないし、続く感はあるのでそこまではらはらはしておりませんが…
今巻では、1,2巻で名前だけ出てきた「死神三番」が登場。
名前が出ている間は相当恐ろしい人間だと思っていたら、いざ出てきてみたら、めちゃめちゃ普通の女の子で凄く可愛いキャラでびっくり。まあ、勿論相当恐ろしい人間で間違いは無いのですが(笑
そんなかわゆい死神三番に呼ばれおめかしをして出かけて行く凰火を知り、「浮気だ!」と思いこむ凶華。普通の幼妻なら「きぃ〜!くやしいくやしい!」と泣き寝入り、後ほど誤解と分かり甘え倒すそんなシチュエーションですが、神である凶華様がそんな普通の反応をするわけがありません。
速攻で死神三番を殺しにかかります(笑
そんなわけで前半戦は過去の恋人と現在の妻のバトル、そしてそれに巻き込まれる夫のお話。
ここら辺だけでもかなりおもしろいのですが、中盤戦から、(文字通り)姿無き、凶華様の妹と名乗る「オデッサ=エイ」が登場。凶華様にはかないませんが、恐ろしい娘さんです。
そのおかげで記憶を無くしていた凶華様の過去…というか正体が明らかになります。ただの萌えだけであのような幼児体型とネコミミ&尻尾だったわけじゃないのでした(笑
そして後半戦はバトルバトルバトル。
戦い方が人間じゃないです(笑
まあ、人間じゃないんだけど(笑
おもしろかったです。
狂乱家族日記の良いところは、あれだけキャラ(というか家族)が多いというのに、ちゃんと全員の様子が書かれている所だと思います。
今回のメインはどうしても、凰火と凶華、そして死神とオデッサと言ったところでしょう。ですが、彼らが暴れている間も、他の家族たちは現実世界と一緒でいろんな事を考えて、不安になっているんですよ。ちゃんと。そして無駄ながらも努力をしている。今の「シアワセ」を守らないと!ってみんながみんな躍起になって努力しているんです。
今巻特に良かったのが、凶華様の心境。
本当に強くて、どうしようもない神。それなのに、中身は「人間」だったとおいらは思います。もし正体が人間でなくても凶華は「人間」だと思いました。
そして同じく死神も、普通の女の子なのだ、と。
これだけ人間ではない様な状況を作り出しておいて、最終的にそんなふうに読者を納得させてくれるんですから、すごいもんです。
今後は、凶華が凰火が既に自分の正体を知っていることを悟る所とか、他の家族が知ってしまうところとかがやっぱり楽しみです…いや、あえてもう書かれないかもしれませんが…書いたところで、絶対に家族達の対応はかわらないのでしょうから。
さて、前巻に引き続きですが、あとがきがおもしろいのはずるいです(笑
4巻は誰がメインなのやら…そろそろ帝架がメインの話が欲しいところです…彼が好きなので(笑
一般おすすめ度:★★★★☆
百合おすすめ度:☆☆☆☆☆