うそつき

サブタイトル合わせると「うそつき〜嘘をつくたびに眺めたくなる月〜」
作・日日日　カバーイラスト・高橋洋介　新風舎文庫
日日日の（現在の）最新作をやっと読み終わりました。
割と時間かかったなぁ。
今回はライトノベルではなく一般文芸ということで、きゃわゆいイラストがあるでもなく、萌えなキャラがでるでもなく、唯哲学的に進むのですが、やっぱりおもしろかったです。
前半戦はちょっとだるいなぁ、と行った感じがおいら的にあったのですが（今まで読んだ日日日作品で、おいらは「だるいなぁ」と思ったことはなかった）後半戦、本当に中盤当たりからまたがっと読ませるすごさがありました。素晴らしいです。
愛や恋がよく分からない世に言う美少女のヒロイン、輝夜。分からないが故に、同姓の友人も特におらず、つきあう異性も多数。そして別れた異性も多数。そんな彼女は日々「つまらなさ」を感じながら、何者か分からない仮面をかぶった影法師とともにくだらない日々を過ごしていた…
と、あらすじを書こうと頑張ってみるんですが、この話なんとも説明しづらいお話。ちょっと踏み行ったことをあらすじに書いてしまうと速攻で後半戦のネタにつながってしまうような地雷を踏みつけるような感じがあります。恐るべし。
まあ、ヒロイン輝夜が愛だの、恋だのを考えながら、過去に無くなった姉について色々知って行く、と言った感じのストーリーでしょうか。
前半なんで「だるいなぁ」と思ったのかと考えていくと、前半は輝夜が好きでもない異性と付き合い、そして別れるだけなのです。いやあたりまえですが、ココにも後半戦に続く複線はバリバリ用意されていますので読んでなかったらどうしようもないわけですが（笑
で、それが終わって、中盤戦に入るとやっと、おいらの萌えポイントとなる百合シーンです（百合シーンなんてねぇよ
無くなった姉がとにかく輝夜を可愛がります。勿論だだ可愛がる、というのではなくて、姉として自然な妹への愛情、というのでしょうか。ちょっとシスコン気味？程度。好きな程度です（笑
それだけでも美味しいって言うのに、後半戦に入ると輝夜も姉への気持ちに気付きます。勿論これも「恋愛」ではなくちょっと行きすぎた姉妹愛。素敵です。
カバーがリバーシブルになっておりまして、裏がもう、素敵です。
さて、さて、百合度もかなり満足な今作ですが、作品としてもかなり好きでした。
何度も書いてますが、後半戦の段々と「人間らしさ」というか年相応の感じになってゆく輝夜を見ているとどきどきします。
そしてラストのがんがんくる恐怖もデビュー作「ちーちゃん」を超える物があります。
最後はきちんとハッピーエンドになったのが大満足です。「ちーちゃん」がどうしてもおいらには完璧なハッピーエンドとは思えなかったので。
ああ、もちろん他の作品「怪造学」や「狂乱家族」などのエンディングはもう本当に好きな感じのハッピーエンドですが。
今作品と「ちーちゃん」は一応、ジャンルとしてはライトノベルではなく、一般文芸になるので。
一般文芸ということで、難しいかなぁと思っている人にも割と読みやすいと思います。ものすごい年頃の女の子的な口調で話が進むので。あと、一般文芸だからこそ、難しい言葉が出てこないのもかなり読みやすい感じです（笑
ライトノベル（特にファンタジーとか）は妙に読み方が分からない名前やらカタカナが出てきますしね（笑
好きですけど（笑
さて、探していたもう一冊「テディベア」をやっと購入できたので読み始めることに…と言いたいところですが、谷川流の「ハルヒ」シリーズの新作も出てたのでとりあえず日日日は取っておいてハルヒから。今回厚いなぁ。
一般おすすめ度：★★★★☆
百合おすすめ度：★★☆☆☆