アンダガの怪造学

作・日日日 イラスト・エナミカツミ スニーカー文庫
サブタイトルは「ネームレス・フェニックス」
そんなわけで日日日3冊目です。3冊読みましたが、「やっと」ではなく、「もう」と思わせる威力が全部にありました。
「ちーちゃん」がホラー「狂乱」が家族愛なら、「アンダガ」は友情と恋愛…かなぁ?
簡単なあらすじは、異世界「アンダガ」という場所が普通に認識されている世界のお話。ごく普通に現代っぽい設定なんですが、「怪造学」という学問がある世界。文字通り「怪造学」ってのは物の怪を造る学科。アンダガと呼ばれる異世界から人でない物を召還して、それをいろいろと役立てるという技術。主人公空井伊依(すかいいいおり)はそんな怪造学を学び始めたばかりの少女。彼女は他の怪造学者とちがい、モンスターは友達、いつかアンダガとの壁をなくす、みたいなことを言っている不思議少女。しかし、その不思議少女は過去に天才と呼ばれた怪造学者の娘でありその才能は未知数であった…と言った話でしょうか。
主人公伊依がめちゃめちゃ可愛いです。イラストもさることながら、性格、というかめちゃめちゃ好みでした。
出てくるモンスターも名前が可愛かったり何となくわかりやすい感じでかなり良かったです。
前半戦のコメディータッチとはうってかわって後半戦の血なまぐさいシーンの描写も流石です。
まっすぐこれでもかってぐらい明るい主人公のどろっとした裏、というよりもどんな人間でもみせるであろうその裏の部分がかなり明確に描かれていて良かったです。
かなりわかりやすい文章というか、万人向けで良いと思います。
「狂乱」も続きが気になりますが、この「アンダガ」も同じく続きが気になります。早く続きが読みたい作品です。
ああ!忘れそうになっていた!割と百合っぽいですよ!この作品!主人公とそのお友達の女の子の関係がかなり素敵です。
てか香美ちゃんって言うキャラなんですが、この娘はさいっこうの百合キャラになりうる逸材です(笑
今後のこの二人の関係が気になります…(笑
一般おすすめ度:★★★★☆
百合おすすめ度:★★☆☆☆