ポストガール2巻

タイトルに情報を書くと長くなるのでやめました(笑
そんなわけで「ポストガール2巻」増子二郎・著 GASHIN・画 電撃文庫です。
バグのせいでだんだんと「人間らしく」なっていく郵便配達ロボット、シルキーの目線から描いた短編集です。第6話〜第10話の5つのお話が収録されています。
第6話は自分の持ち主を「妻」と呼ぶ壊れかけた抱き人形であるマフリーとの出会いを描いた作品。のちレギュラーキャラになるシヅカさんも登場。なんだか世界の中心で愛を叫びそうな設定でした(笑
第7話は宇宙より落ちてきて放置されていた過去の遺産、宇宙船に組み込まれた自意識システムであるイナリとの出会いを描いた作品。これまた最後はしんみりするオチ。人ではない両者の人のような会話が大変切ない感じ。
第8話は春画師ラタとその遠い親戚に当たる二リーさんとの出会いを描いた作品。前の2話が少々くらい話だったので、ほっとするような明るい…明るかないけど…まあ、ほのぼのした作品。多少なりとも絵を描くものとしてラタさんには激しく同意出来る部分があり楽しかったです。オチのシルキーがかわいいなぁ、と(笑
第9話はシルキーにグラムという弟(にあたるロボット)が出来る話。人でない同士の姉弟喧嘩…たしかに喧嘩するのは人だけなんですよね…争いや戦いをするのは他の生き物でもしますが…なにやらシルキーの周りには本気でバグ登載ロボが増えまくりですな…
第10話はシルキー、キューザック、シヅカ、新キャラクターのキューザックの血縁にあたるらしいヴォサカの4人でお祭りに行く、というお話。だんだんと人間のようになっていくシルキーが「人間ではないもの」だと再確認できるような話でした。そしてタイトルである『ポストガール』という単語が初めて作中ででてきて、その名に意味があったことがわかりました。ただ、かっこよくカタカナ(笑)にしたのかと思ったら、ちゃんと意味があったのですね…しかもダブルミーニングで…
単純計算で、全作品の半分まで読み終わったわけですが、これは最後まで飽きずに読み進めることが出来そうです。
どの話も切なかったり、悲しかったりする話が多い物の最終的に「その話」なりに、のハッピーエンドになっているのがすごく良いです…今後はわかりませんが…